訪問看護師向けアプリを作りながら、個人利用とステーション利用の両方を見据える必要性に気づいた。
ケアキロ開発中に重要な気づきがあった。

現在、care-kiroは初期ユーザー10人ほどに使ってもらいながら改善している。まだ小さな数字だけど、訪問看護のような業務領域では、10人の実ユーザーから得られる学びはかなり大きい。公開ページでは看護師向けの利用を前面に出していて、管理者向けは準備中という位置づけだ。だから今は、看護師個人の使いやすさを大事にしながら、将来的にステーション利用へ広げる道筋も見ている。
💡 重要な発見
訪問看護師向けのアプリを作っていたけど、
ステーション向けの導線も考える必要があると気づいた。
なぜステーション向けの視点が必要か?
看護師が「このアプリ使いたい!」と言っても、
ステーション(事業所)の運用と相性が悪いと、継続利用が難しくなる。
例えば:
個人アプリとしての使いやすさと、業務サービスとしての広がりは分けて考える必要がある。
最初は、看護師さん個人の作業を楽にすることだけを考えていた。日誌を簡単に書ける。スケジュールを見られる。必要な情報を整理できる。それだけでも価値はあると思っていた。
でも実際の業務は、個人だけで閉じていない。訪問看護はステーション単位で動く場面も多い。記録、経費、月次レポートのような情報は、個人が入力した後に別の人が確認したり、組織のルールに沿って扱ったりする可能性がある。
つまり、看護師さんにとって便利であることが最初の価値で、そこからステーション側の負担を増やさずに広げられるかが次の課題になる。ここを分けて考える必要があった。
🔄 ピボット:アプリからプラットフォームへ
だから今、方向を変えている。
- 以前: 看護師個人用の業務管理アプリ
- 変更後: 看護師個人の利用を起点に、ステーション利用にも広げられる業務サービス
これは単なる機能追加ではなく、プロダクトの見方そのものの変更だ。個人向けアプリなら、UIの使いやすさと個人の便利さが中心になる。ステーション利用まで考えると、共有、権限、組織設定、データの扱い方まで考える必要がある。
正直、開発範囲はかなり広がる。でも、care-kiroはB2CとB2Bの両方の性格を持つサービスだ。現場で使われ続けるには、個人の便利さを削らずに、組織としても扱いやすい形へ少しずつ近づける必要がある。
📈 システムが大きくなった
最初はシンプルなアプリだったけど、
今は複数の入口を見据える構造になってきた。
| システム | 説明 | 状態 |
|---|---|---|
| ランディングページ | サービス紹介・会員登録誘導 | ✅ 運用中 |
| 看護師向けWebアプリ | PWAベースの業務管理 | ✅ 運用中 |
| 看護師向けモバイルアプリ | Flutterネイティブアプリ | 🔄 準備中 |
| ステーション向け機能 | 共有・確認・管理導線 | 🔄 準備中 |
| 運用者コンソール | システム全体の管理 | 🔄 構想中 |
この構成にしたことで、care-kiroはただの記録アプリではなく、業務サービスとしての性格が強くなってきた。逆に言うと、運用コストも増える。ログイン、権限管理、データの整合性、通知、デプロイ、障害対応。ひとりで見るには少し大きい。
だからこそ、最初から全部を完璧に作るのではなく、ユーザー10人の現場で本当に必要な部分から作る。今はその段階だ。ステーション向けの機能も、理想の管理画面を全部作るのではなく、まず「共有されるべき情報は何か」「誰がどのタイミングで見るのか」を整理したい。
⚙️ CI/CD自動化
1人開発だから、自動化なしではやっていけない。
GitHub ActionsでCI/CDパイプラインを作った:
git push → 自動検知 → 必要なシステムをデプロイ- detect-changes: 変更されたファイルを検知
- deploy-landing: ランディングページをデプロイ
- deploy-web: Webアプリをデプロイ
- deploy-station: ステーション向け機能を追加した場合にデプロイ
- deploy-console: 運用者コンソールを追加した場合にデプロイ
push 1回で必要な部分だけデプロイされる構造にしていきたい。
この自動化はかなり重要だった。手動デプロイだと、複数の入口を毎回確認して反映するだけで疲れる。ひとり開発では、デプロイ作業に集中力を奪われると、肝心のプロダクト改善が進まない。
自動化しておけば、修正を小さく出せる。初期ユーザーからフィードバックが来たら、すぐ直して出す。この速度が、今のcare-kiroには必要だ。
🚀 開発状況
ステーション向けに必要な導線を整理している。
ステーション向けで検討している主な機能:
特に優先しているのは、看護師側で入力された情報が、必要な相手に自然に届く流れだ。ここがつながると、care-kiroは「個人の記録アプリ」から「ステーションでも使える業務ツール」に近づく。
ステーション向けにやりたいことは多いが、最初のMVPでは次の3つに絞る。
経費精算や統計は重要だけど、最初から全部入れると複雑になる。ユーザー10人の運用を見ながら、どこから広げるか決めたい。
🧪 ユーザー10人からの学び
ユーザー10人まで増えたことで、開発の優先順位が少し変わった。作りたい機能ではなく、使われるために必要な機能を先に見るようになった。
例えば、入力フォームの項目を増やせば情報量は増える。でも現場では、入力が長くなるほど使われなくなる可能性がある。ステーション向けの機能も同じで、ダッシュボードを豪華にするより、確認すべきものが迷わず見える方が大事だ。
小さなユーザー数でも、実際に使ってくれる人がいると、仮説の質が変わる。「こうしたら便利そう」から「これがないと運用に乗らない」に変わる。この違いは大きい。
🎯 今回の教訓
B2CとB2Bの両方を持つサービスは、入口を分けて考えるべき。
看護師さんがすぐ使えること。
ステーションでも無理なく扱えること。
この2つは似ているようで、設計の焦点が少し違う。
そして1人開発で自動化は選択ではなく必須。
システムが大きくなるほど手動デプロイは不可能になる。
この気づきで方向がもう少し明確になった気がする。
看護師もステーションも使えるサービスになれるかどうかは、やってみないとわからない。
次にやることははっきりしている。
care-kiroは、Park Labsの中でも一番「実運用」に近い実験になっている。だから急ぎすぎず、でも止まらずに進めたい。